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(その14・おまけ4)

 

【浄土真宗の基礎用語】

それではここで、「真宗基礎用語」の羅列をさせていただきます。本文中で重複するようなところは、カットしました。また、親鸞聖人の主著である『顕浄土真実教行証文類』(いわゆる「教行信証」)の章立てに沿って、本文を理解する手助けになりそうなものを選びました。

その章立てを簡単に言いますと、以下のようです。いわゆる「教・行・証」という仏教の基本構造に沿っています。 

1.「教」     … 仏教の教え 

2.「行」=「信」 … 念仏=信心という真宗の特徴

3.「証」     … 悟り=浄土往生

では、いくつか列挙してみます。

<教>

【浄土三部教(じょうどさんぶきょう)】…数ある経典の中で、『仏説無量寿経』・『仏説観無量寿経』・『仏説阿弥陀経』の三部を拠り所としてします。中でも『仏説無量寿経(=すべての衆生を救う仏の願いが書かれている)』が特に重視されます。

【七高僧(しちこうそう)】…インド・中国・日本における多くの高僧の中で、龍樹(ナーガールジュナ)・天親(バスバンドゥ)・曇鸞・道綽・善導・源信・法然の七人を特に七高僧と呼びます。

<行>

【称名(しょうみょう)】…「ナモアミダブツ」と称える念仏ことですが、「自らの行為である」・「私の功徳である」とは捉えずに、「阿弥陀仏の働きである」・「仏の呼び声である」と捉えるところに特性があります。

【名号(みょうごう)】…「南無阿弥陀仏」の六字を指します。阿弥陀仏の働きそのものである、と味わいます。

 

<信>

【信一念】…信心が確立するまさにその時を指します。本願(仏の願い)が、私に届いたその瞬間です。

【聞即信(もんそくしん)】…真宗では、「聞く」という受動性が高い行為に重きをおきます。そして、「信じることは聞くこと」という特徴的な理念があります。

 

<証>

【現生正定聚(げんしょうしょうじょうじゅ)】…浄土仏教では、臨終の際「来迎(=阿弥陀仏が浄土から迎えに来る)」を説きます。しかし親鸞聖人は、「今」、「私」が「ここで」往生決定するのだ、という姿勢をもちます。現生(今)で、正定聚(悟りは間違いない)と成るわけです。これを蓮如上人は、平生業成(へいぜいごうじょう)と表現しました。 

【往相迴向(おうそうえこう)と還相迴向(げんそうえこう)】…「往相」とは行くすがた、「還相」とは帰るすがたのことです。ここでは、浄土へと往生することが「往相」、浄土から再び衆生を救うためにこの世に戻ってくることが「還相」です。つまり浄土に行っても、そこでのんびり暮らすのではなく、今度は仏や菩薩となって生きとし生けるものを救済しに還ってくるわけです。法然上人は、明確に「自分は浄土から還ってきたのだ」という意識をもっていました。また、梅原猛氏はこの「還相」こそが親鸞思想の一番の特徴である、と語っています。

『顕浄土真実教行証文類』では、「教巻」・「行巻」・「信巻」・「証巻」に続いて、「真仏土巻」と「化身土巻」が著されています。なにがホンモノでなにがニセモノかについて述べられている部分です。

 (おまけ)へのおつきあい、ありがとうございました。

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