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2006年08月 アーカイブ

2006年08月22日

質問45・イスラエル問題

Q:

初めて質問させていただきます。なぜ、60年前にあれほどの目にあった『ユダヤ人』がこれほどのことをし続けるのか?相手がイスラムなら良いのか?仏教の立場からみたユダヤ教とは何ですか?
内田先生の著書、正直なにがおっしゃりたいのかが分からなかったけれど、この問題についてはどうお考えですか?
(イスラL)

A:
「仏教の立場からみたユダヤ教」という部分が私の担当かと思われます。
ひと口にユダヤ教と言っても保守的なグループや革新的なグループがあって、それぞれ多少は違うところはあるのですが、やや大雑把にお話します。
すぐに思いつくのは、「唯一にして絶対なる神」「民族の概念と重なる部分が多い」「安息日や食禁忌などの生活規範」「聖職者の形態」「聖典への考え方」「来世観の違い」あたりが、仏教とユダヤ教との相違でしょうか。
 しかし私自身のささやかな経験から言えば、仏教者と比べてユダヤ教徒は「強い」という印象が一番先に想起されます。なにしろユダヤ教のようなタイプの宗教は、信じる者と信じない者との境界が明確です(もちろん仏教と比べての話です)。宗教においては、その線引きが明確であればあるほど、内部のバインド力が強力になります。ユダヤ教があったからこそ、ユダヤ民族は二千年もの間世界各地に拡散していても、他の民族に吸収されてしまうことを避けられたんですね。だから、ラビの方とお話してみると、その「強さ」を感じます。神に支えられた自我ほど強いものはありません。しかもその神は唯一にして絶対なのですから。
仏教は、すべては相互依存関係で成立している、という相対的立場に立脚しますので、ユダヤ教の中軸である「神」や「聖書」のような概念には否定的です。その分、どこか生きる力や異質と対面する力が弱い気がします。自と他の境界さえ、なんとなくあいまいです。

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